【pt900 ピンク石 ペンダント】デザイン画
2代、3代と受け継がれたジュエリーの場合、
それがどんな宝石かをご存じでないご依頼主も多くいます。
ご覧のデザイン画のご依頼主もそのひとりで、
「アレかアレだろうな・・・」と、
思い当たるいくつかの候補があるだけで、
「だからといって鑑別によって宝石名を特定する必要はない」
とのことでした。
ここにジュエリーの持つユニークな一面を見ることができますね。
【受け継ぐモノ】という、
より大きな視点でジュエリーが所有されるとき、
鑑別書や専門家による鑑定結果など、重要ではないという境地に意識が向きます。
ご依頼主は、リングに留められたこの宝石を、
娘さん向けにペンダントへリフォームされました。
このあとの数十年は娘さんがこの宝石を預かり、
また次世代へ継ぐのでしょう。
「この宝石がどんなモノであるか鑑別しますか?」
という問いかけが、ずいぶんと安っぽく聞こえ始めました。