弥馬屋のジュエリーと12の物語
第1章【商品には裏があります】
商品には裏があります。
お好みのリングやペンダント、そのデザインは人それぞれです。
カーブしていたり、ふっくらしていたり、表面がつや消しになっていたり。
ところで、そんなリングやペンダントの、デザイン裏側をのぞいたことがございますか?
そこは見た目のデザインとは、関係の薄い部分なのですが、
「身につける」という意味では、裏側はとても重要な部分なのです。
私ども弥馬屋のジュエリーは、どんなときも気持ちよく身に付けていただきたい。
こんな気持ちから、肌に優しくフィットするよう、デザイン裏側に“あたり”をつけました。
貴金属と、それを愛用する人の肌とをつなぐ、「優しいあたり」が裏側にあります。
弥馬屋と12の物語 -第1章-
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第2章【大変長らくお待たせいたします】
大変長らくお待たせいたします。
ジュエリーは、自身の性格や内面の輝きを表現するものだから、
あなたにぴったりのジュエリーを創りだすことは、簡単ではありません。
こだわりや生活習慣、手の表情、洋服の趣味など、あなたの生き方にフィットさせるために、
私ども弥馬屋のかざり職人は、熟練の業で最高の一点を創りだします。
そのためには、仕立て上がりまでに数ヶ月もの歳月を要することも、珍しくありません。
これはスピード社会の現代では、ずいぶんとのんびりした創り方かもしれませんね。
それでも、このような仕立てを満足してくれる方がいるかぎり、
私たちは、このペースを守り続けていきたいと思うのです。
弥馬屋と12の物語 -第2章-
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第3章【宝石の知識、その前に】
宝石の知識、その前に。
私ども弥馬屋では、新人スタッフの最初のトレーニングは、
宝石の知識修得ではございません。
もちろんのこと、宝石学を修得することは、
お客さまにジュエリーのサービスを提供するために、必須のことがらです。
しかしながら、新人のスタッフはまず、接客パフォーマンスをみにつけます。
その内容は、
「お客さまをお迎えすること」、
「お客さまの心をほどき、リラックスしていただくこと」、
そして、
「お客さまが不安を抱く前に、安心の言葉をおかけすること」、
これら3項目に通ずるトレーニングです。
そして、それらを学んだスタッフたちが、皆さまをお迎えいたします。
すこしでも多くのお客さまに、ジュエリーの素晴らしさを伝えるために、
私たちは、究極の接客パフォーマンスを修得したいのです。
弥馬屋と12の物語 -第3章-
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第4章【毎日ラブレターを書いています】
毎日ラブレターを書いています。
私ども弥馬屋で、ジュエリーをお仕立ていただきましたお客さまには、
出来上がって、お渡ししてから5日の後に、ラブレターが届きます。
ジュエリーの仕立ての善し悪しは、何度か使ってみて感じることですから、
お客さまの“身につけて感じた気持ち”を5日後におうかがいしております。
時間をかけて、完成度を追求したジュエリーを仕立てたから、
嫁いだ後のお客さまの声が、私どもの励みになります。
そしてこれこそが、納得の仕立て上がりになるまで妥協しない、
私ども弥馬屋の、ものづくりに対するスタンスなのです。
弥馬屋と12の物語 -第4章-
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第5章【年に一度の野菜づくり】
年に一度の野菜づくり。
・・・といってもジュエリーの、ですよ。
私ども弥馬屋では年に一度、野菜をモチーフにしたデザイン会を開催します。
そして、その中で優れた1点のみを、ジュエリーとして制作しております。
これまでに白菜や大根、人参、きのこ、唐辛子、茄子、さやえんどう、苺などなど、
ブローチやペンダントとしてジュエリーになりました。
制作に取りかかるために、集められる膨大な量の資料群は、当の野菜そのものだけでなく、
葉の形、花の色、花びらの枚数、さらには、そこに付く虫の種類まで、相変わらずの徹底ぶり。
お客さまに愛用していただくために、丹誠こめての野菜づくりです。
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第6章【真珠好きです】
真珠好きです。
三重県の伊勢志摩にある「やまや真珠研究所」では、
弥馬屋ジュエリーとして制作される真珠たちの、仕入れと品質管理が行われています。
研究所からは、真円の真珠や、最近人気の変形真珠など、
新作のデザインにあわせた真珠が、東京の弥馬屋工房に送られてきます。
また、デザインに合わせた真珠を手配するのとは逆に、
工房のデザイン室では、ユニークな形をした変形真珠を元に、
その魅力を最大限に引き出すような、デザインをおこすということもございます。
貝が自然に巻いた、変形真珠をデザインするにはとても長い時間を要し、
真珠と対峙したまま数ヶ月を共に過ごすことも。
ですが、まさにその時間こそが、
私たち弥馬屋の楽しみでもあるのです。
弥馬屋と12の物語 -第6章-
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第7章【輝く宝石たち】
輝く宝石たち。
宝石は、その名のとおり「宝」ですから、
これを嫌いという方は、まずいらっしゃらないでしょう。
どなたでも興味があり、その美しい輝きに魅せられるものです。
もちろんのこと、私ども弥馬屋のスタッフも宝石は大好きです。
それどころかこの気持ち、もはや「愛」といえるでしょう。
ひとたび宝石の話になると、歴史やその逸話、有名人がつけていたジュエリー、
日々のお手入れの裏技、そしてお客さまから頂戴した体験談など、話題は尽きません。
ひとつのジュエリーに、さまざまな想いが込められ、
色褪せることなく、世代を超えて愛用されるものだから、
宝石は今日も、皆に愛されて輝いています。
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第8章【目線が大事です】
目線が大事です。
リングをデザインするとき、
私ども弥馬屋では、周囲の人からの目線を意識してしまいます。
なぜなら、手のひらをピンと伸ばし、リングのデザインを真上から見ることができるのは、
身につけている「あなただけ」だからです。
周りにいるあなた以外の方々が、あなたのリングを、
しかもあなたに気づかれないように、それとなく眺めるとき。
あなたの手はきっと、ナイフやフォークを持ち、
極上のフィレ肉を口に運んでいる真っ只中でしょう。
ジュエリーは、あなた以上にあなた自身を語るものだから、
私ども弥馬屋は、他人の目線である「斜めの角度」から見たデザインも
美しく演出することを、心がけなければなりません。
弥馬屋と12の物語 -第8章-
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第9章【器づくり】
器づくり。
宝石のことを、よくよく見たことがございますか?
一見では同じ形の石に見えても、上からだけでなく、横や下から覗いてみると
それぞれの石に、違う表情があることに気がつきます。
わたくしども弥馬屋では、宝石をお仕立するさいに、
この表情を無視して、大量生産の既製枠に石を留めることはいたしません。
個性豊かな宝石たちを、型番の付いた規格の枠で仕立てるのではなく、
まず、その宝石を留め込む為の「器」を仕立てることからはじめます。
宝石の厚味や、膨らみ具合にあわせて、
個性豊かな器づくりから、個性豊かなジュエリーが出来上がります。
弥馬屋と12の物語 -第9章-
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第10章【それはお客さまのジュエリー物語です】
それはお客さまのジュエリー物語です。
弥馬屋には、それぞれのお客さまのカルテがございます。
カルテには、これまでにご依頼いただきました制作注文や、
お求めいただきましたお品物が、記されております。
本来なら記憶するべきことなのでしょうが、
お客さまの指のサイズや、好みのネックレスの長さ、お伺いした最近の趣味など、
その内容が多岐にわたるため、カルテという方式を採用しております。
またカルテには、お客さまがお持ちのジュエリーに関する疑問や、悩み事なども記され、
時が経って、お客さまよりお問い合わせがあったさいに、
カルテを読み返してお役に立てることもございます。
それぞれのお客さまを、最適のサービスでお迎えするために、
お客さまのジュエリー物語をつづっております。
弥馬屋と12の物語 -第10章-
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第11章【“ありがとう”の為に】
“ありがとう”の為に。
毎日、弥馬屋に持ち込まれるお客さまからのご注文には、
一点一点に、それぞれのお客さまのこだわりや主張が込められています。
ひとつのご注文ごとに、
制作にたずさわるデザイナーと加工スタッフ全員で
「制作者会議」をひらき完成までの戦略を練ります。
店頭で受注したスタッフ、デザイナーはもちろんのこと、
原型をつくるかざり職人、石留め職人、仕上げ職人それぞれが、
お客さまからの「ありがとう」の言葉を獲得するために、数ヶ月間のジュエリー制作に没頭します。
ご依頼の注文数も、年間で1000件を超え、
多くの皆さまに、私たちのジュエリー制作が期待されていると実感しております。
(2023年期は1042件でした)
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第12章【宝石の顔を見てから調理法を決める】
宝石の顔を見てから調理法を決める。
どれほど美しい宝石も、
身につけるためにはジュエリーに仕立てなければなりません。
職人たちはまず、
取り扱うそれぞれの宝石の特性を見極め、仕立てにとりかかります。
最初の作業は、工具作りです。
料理人が、食材にあわせて包丁を使い分けるのと同じように、
たったひとつのデザインに対して、たったひとつの工具が一式用意されます。
そして、デザイナーと加工職人は、宝石たちの持ち味を余す所なく引き出すために、
たったひとつの調理法でジュエリーを生み出していきます。
これが、創業よりの弥馬屋の物づくりのスタンスです。
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